ごあいさつ

この館の美しい造形を目で愉しんでいただき、静寂の響きに心から安らいでいただければ。
こんこんと湧き出る湯に身をゆだね、聞こえてくる「香」に古えを懐かしんでいただければ。
そして、吟味した酒肴に舌鼓を打っていただければ。

香雲館においでいただいたら、日頃のご多忙にまぎれ、
眠っていた五感をのびのびと遊ばせてください。
私どものおもてなしは、お客様の五感へのおもてなしです。
それから、あたたかな気配りと、さりげない間合いでお迎えいたします。

立居振舞いきめ細やかに、この館を美しい空気で満たしたいと存じます。
香雲館では、伝統の心を尊びながら、
従来の和風旅館の定型を脱ぎ捨てて、独自のホスピタリティを採り入れました。
それは、ひとことで言えば、おしきせではない、
お客様のご都合を第一に考えた臨機応変なおもてなしということでしょうか。

どうぞ、私どもに「わがまま」をお申し付けください。
私どもは、ゆきとどいたサービスを、
草書の文字のようにやわらかくアレンジしてご提供申し上げたいと存じます。